ダイバーシティ・プロデュース

これまでの経営戦略は同質性によって、絆をつくり、生産性を高めてきました。
戦後の高度経済成長を支えたものづくり日本の経営手法でもありました。

しかし、生産性を高める仕組みは限界に達し、付加価値のる時代になりました。
インターネットやコンピュータの普及、生産のグローバル化、労働力不足などから
これまでの手法で付加価値をつくることが困難になってきました。
そういった社会の変化の中で、
はたらく人が求めるものも経済価値から生活の質へと変わってきました。

そこで注目されたのがダイバーシティ(多様性)です。
これまでにない視点を取り入れて業務を見直し、多様な人が働ける環境をつくり、
付加価値をつくる手段として、ダイバーシティ経営戦略が注目されました。

いまでは先進企業やグローバル企業だけでなく、女性活躍推進法などの整備により、
国・地域・企業のそれぞれがダイバーシティ経営を推進しています。

経済産業省では「ダイバーシティ2.0」を次のとおり定めています。

『多様な属性の違いを活かし、個々の人材の能力を最大限に引き出すことにより、
付加価値を生み出し続ける企業を目指して、全社的かつ継続的に進めていく経営上の取組み』

ところが戦後70年以上の企業体質は、そう簡単には変わりません。
企業風土に馴染みやすい同じような属性の人材を集め、同じ習慣にしようとします。
それは一つの方向に進むには、ちからを発揮する強い組織になりますが、
変化の速い現代においては、進路変更や想定外に弱い組織でもあります。

多様性と絆の両方を備える社会と組織をつくるため、

3つの視点でプロデュースします

1.多様性ある環境をつくる

 既存の組織に違いのある人材を受け入れただけでは多様性ある環境になりません。
組織のトップが多様性を活かす方針であることを宣言し、多様性を推進する体制を
組織化し、継続的に制度と運用を見直して環境整備に努める必要があります。

(1)トップコミットメント
 組織がダイバシティを推進するには、経営幹 部が推進することを明確に約束し、
 その先に期待する未来があると信じ、意図的に多様性を求めていく必要があります。

(2)推進体制の整備
 ダイバーシティ推進を牽引する専任組織または担当者に裁量を与え、
 既存の枠を越えて変革シナリオを描き、実行すること。

(3)制度と環境の整備
 多様な人材が働き続け、活躍機会を獲得できる制度設計・運用を行い、
 多様で柔軟な働き方ができるよう見直すこと。

2.多様性に触れる場をつくる

 ダイバーシティ推進のロードマップが理解できても、多様性に触れる機会がなければ
納得感をもって推進することができません。理論的に理解するだけでなく、体験から
学ぶことで、主体的な推進につながります。

(1)管理者層の意識改革
 多様な人材の生き方と働き方を受容し、管理者自身も人生を楽しみながら
 組織に貢献する管理者を育成すること。

(2)従業員の行動・意識改革
 組織に依存しすぎない自律的キャリアをつくり、自分自身が成長できるよう
 主体的に多様性ある環境に一歩踏み出す社員を育成すること。

3.多様性から変化をつくる

 ダイバーシティが何をもたらすか、事前に計画することは困難です。
小さな変化や量的または質的変化を見落とさず、具体的な事例を紐解くことが必要です。
自己満足に陥らないよう、専門的見地から進捗と成果を適切にフィードバックします。

(1)自己評価
 推進施策の進捗を定量的または定性的に自己評価し、発生した事例を可視化すること。

(2)情報発信・対話
 ダイバーシティ経営の計画とその実行状況を社会に発信することで、
 パートナーや顧客とともにダイバーシティ社会に貢献すること。

(3)客観的評価
 組織の中で起きていることを組織の外に発信することで組織を外から俯瞰し、
 パートナー組織と連携して取り組むことでダイバーシティ社会に貢献すること。